コロンビアで発見された歴史的なスペイン難破船はスペイン自らの手で沈められたのかもしれない
Historic Spanish shipwreck discovered in Colombia may have been sunk by Spain itself
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By Sean Martin
コロンビアで発見された歴史的なスペイン難破船はスペイン自らの手で沈められたのかもしれない
沈没したスペイン艦船がコロンビアはカルタヘナの沿岸で発見された。その艦船はおよそ300年間水中で眠り、ジェンキンスの耳の戦争――ラテン・アメリカの支配をめぐりイギリスとスペインの間で戦われた戦争――と関連ある可能性がある。船舶は水深16フィート(約4.9m)で発見され、発掘作業をしている考古学者たちは、この船は1741年にスペインの勝利で終わったカルタヘナの戦いの最中にスペインの手により故意に沈められたと考えている。
自らの船を沈めるという奇策はBlas de Lezo提督(絵の人物)に命じられ、イギリス接近に際し新世界の港の入り口を塞ごうとしたものだった。その結果イギリスは退却し、スペインはこの地域を守り通した。
水中考古学者で発掘調査を指揮しているコロンビアのTerra Firma基金の責任者であるCarlos del Cairo氏はナショナルジオグラフィックに述べた。「この発見は非常に重要ですがそれにしても文化的な意義は極めて高いものです。ひとつのヒロイズム、つまりイギリスに対して最後まで守りきったという、カルタヘナのヒロイズムの象徴なのです。
発掘団はスキャンされ、3Dでモデル化された海底の底のほうに剥き出しになった木材を発見した。発掘にかかわってはいないが、東カロライナ大学の水中考古学者Jennifer McKinnonは言う。「まったく驚愕させ興奮させる発見だよ。彼らの考えるとおりならなおさらだね。旧世界であるスペインが建造した船舶が新世界にあるというのは、非常にまれなんだ。」
一団は船の内側にある焼き物や金属、ガラス、バラストの破片を発見している。それらは船が沈められた時期にスペインの船大工たちによって使用されていたもので、船がジェンキンスの耳の戦争で使用されたという主張を引き続き導き出すものとなっている。
船はコロンビア考古歴史研究所(ICANH)がこの地域の調査を要請した2014年に、Cairo氏と彼のチームによって偶然発見された。
Lezo提督は、その戦いを指揮していた際には、足、片目、右の手腕をそれ以前の戦争で失った状態だった。「そんな体の状態にもかかわらず、Blas de Lezoは苦々しい結末を迎えるまで自分の土地に立っていたのです」Cairo氏は語った。